目標設定が好きな子、嫌いな子

目標設定が好きな子、嫌いな子

今月からロボ団箕面校も2年目に入り新しいクラスが始まりました。生徒数も昨年の2倍以上の41名になり、教室も賑やかになってきました。

ロボ団のレッスンでは毎回子供達はノートに目標を書きます。子ども達がどんな目標を書いているのか見て回ると、

  • 1位になる
  • ロボット作りを頑張る
  • すべてのミッションをクリアする
  • ミスをしない
  • 最低ミッション1はクリアする

など、子どもによって目標もさまざまです。

低学年の子ども達の中には目標を見られるのが嫌でノートを手で隠す子供もいたり、目標欄に「ない」と書く子供もいます。

しっかり目標を書く子がいる一方で、自分の子どもがちゃんと目標を書いていないと心配になり、子育てに悩む方もいるかもしれません。では、なぜ、目標を書くのが好きな子と嫌いな子がいるのでしょうか?

目標設定が好きな子の心理

心理学ではすべての行動には理由があると考えます。たとえば、「なぜ、その行動をしたいのか?」「その行動をとることのメリットは何か?」を考えるのが心理学です。

目標を書くのが好きな子の場合、「目標を書いて達成できたら嬉しい」「親や先生に褒めて欲しい」といったことが目標を書く動機になることが多いです。こういう子ども達は今まで目標を口に出して話したり、書いてできた時、嬉しかった経験や褒められた成功経験をしたので、「今度もそうしよう」と思うわけです。

目標設定が嫌いな子の心理

では、目標を書かないことのメリットは何でしょうか?

たとえば失敗したり、達成できなくても、できなかった事実に直面せずにすむ。親や先生にガッカリされたり、叱られずに済む。つまりショックが軽く済むことなどがあります。

そう考えると目標設定が苦手な子、嫌いな子は現時点では挫折したり、失敗して傷つきたくないという気持ちが強い可能性が考えられます。

もし、子どもの心理状態がそういう状態であれば、無理に目標を作らせるのは逆効果。子どもにとって目標設定は達成の喜びを味わえるチャンスを増やすことではなく、傷つく機会を増やすことになるからです。

「どうしてわざわざ傷つくことをしなきゃいけないの?」
子どもの声を代弁するとそんなセリフになるかもしれません。

大人でも挫折や失敗に向き合い認めるのは難しいもの。そんな場合、まず大切なのは子どもに目標を書かせることよりも達成感や成功体験を味わわせることです。「できる!」という自信がつけば、自然と目標を書くようになるからです。

目標を見られるのが恥ずかしい子の心理

では目標を隠したくなる子どもはどうでしょうか?

一番の理由は恥ずかしさです。たとえば「一番になりたい」というのが恥ずかしい子もいるでしょう。

「一番になりたい」に限らず、自分が感じている素直な気持ちを言葉に出すのが恥ずかしい子はたくさんいます。

自己表現の恥ずかしさには、

1)自分で自分の気持ちを認めるのが恥ずかしい
2)人からどう思われるのか考えると恥ずかしい

の2つがありますが、この2つも側にいる大人が「その目標いいね」「◯◯したいなら、一緒にやろう」など肯定的なフィードバックをすることで、子どもの認識も「目標を見せること=恥ずかしいこと」ではなく、「目標を見せること=良いこと」に変わっていきます。

まとめ

以上を踏まえ、目標設定に関して親をはじめ周りの大人が子どもにできることは3つあります。

1)目標を作って達成する喜びを家族全員で味わう機会を作る
2)失敗や挫折経験を認めるのは難しいが、それが成功につながった体験談を話してあげる
3)親自身も、素直な気持ちを恥ずかしがらずに話す

この3つが家族の日常的な習慣になれば、子どもにとって目標設定することはご飯を食べるのと同じくらい普通のことになります。

目標設定は「夏休みの家族旅行に向けてお小遣いを貯めて、旅先で欲しいものを買おう!」といった簡単なことで構いません。ぜひ家族の中で試してください。

ロボ団箕面校にも色々な子どもがいるので、一人一人のステージを見ながら、目標設定の喜びを味わえる子どもに育つ関わりをしたいと思います。

 

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