知っておきたいプログラミング教育必須化の理由

知っておきたいプログラミング教育必須化の理由

最近はテレビやメディアでプログラミング教育がかなり注目され始め、私も両親や姉から、よく質問されるようになりました。そうはいってもまだまだ情報は行き渡っていません。

みなさんの周りでも、
「プログラミング教育って、結局何が始まるの?」
「大学入試でも取り入れられると聞いたけど、何をしなきゃいけないの?」
そんな疑問を聞く機会もあるかもしれません。

そこで国がプログラミング教育を必須化する理由をお伝えします。

時代の変化

最大の変化は人工知能の登場です。人間がやっている仕事を肩代わりできるロボットや人工知能が登場したことにより、人間が既存の仕事をする必要がなくなりました。

無人コンビニや自動運転自動車はその一例です。旅行会社大手のHISは無人ホテル「変なホテル」を経営しています。

今の子供達が大人になる頃には、スーパーやコンビニ、ホテルには店員さんやスタッフがいなくなり、人がいる店舗は「人がサービスしてくれる贅沢なお店」になっているかもしれません。タクシーやバス、トラックの運転手は確実に減っているでしょう。

工場だけではなく、ホワイトカラーの仕事も自動化され、企業の自動化への投資額は増える一方です。結果、この数年でIT関連の人材はかなり不足していて転職市場では給料が1.2倍に増えています。パーソルやリクルートなど大手人材会社も、IT関連の求人は長期的に増えていくといっています。

世界的に大きなショックを与えたのは法律家、税理士、会計士、医師といった、仕就くのに難しい職種も人工知能とって変わられつつあること。

法律の解釈、決算書の作り方、会計報告書の作り方、病気の診断方法は手順が決まっているので、プログラム化しやすいからです。

ハイレベルな教育を受けた人しかなれない職種の仕事でも、人工知能の処理能力や判断能力の方が高くなりつつある。そんな時代の変化に対応できるよう、国と文科省が打った手が「プログラミング教育の必須化」です。

文科省の狙い

プログラミング教育の必須化の狙いは次の3点です。

1)解決すべき課題や解決の方向性を自ら見いだすチカラ

2)協働して未来を創り出していくチカラ

3)情報技術を、手段として効果的に活用するチカラ

なぜ、この3つを身に付けるのにプログラミング教育が役に立つのかというと、

1)解決すべき課題や解決の方向性を自ら見いだすチカラ

プログラミングを動かす(課題解決)ためには、解決できる手順や方向性を見つけ、その手順通りにプログラミングをする必要があり、練習をすることでプログラミング以外の課題に対しても、論理的思考を使えるようになるから

2)協働して未来を創り出していくチカラ

ペアやチームでプログラミングをすることでコミュニケーション能力やチームワークを育み、社会の中で幸せに生きる力を伸ばせるから

3)情報技術を、手段として効果的に活用するチカラ

プログラミングを学ぶことで、まさにこの力が身につくから

教育方法という点で大きな変化は、1の解決すべき課題や解決の方向性を自ら見いだすチカラです。

今までの教育は、出題者の意図を汲み取り正解を探す能力を伸ばしていました。しかし、これからの教育は自分(達)で問題を見つけ、解決する力を伸ばすにシフトします。これは教育方針が180度変わったといってもいいくらいの変化です。

そこで重要になるのが疑問を持つ力。「あれ、どうしてこうなんだろう?」と疑問を持たなければ、問題を見つけることはできないからです。

これからの教育で一番大切なこと

それを踏まえると、これからの教育で重要なことは、子供が疑問を持つ力、「疑問力」を伸ばしてあげること。別の言い方をすれば、子供の好奇心を伸ばすことです。

テクノロジーの進化で世の中の「当たり前」が変わりつつあります。たとえば、会社に行くという当たり前が、サテライトオフィスや在宅勤務の登場で薄れつつあります。

「家事炊事は主婦がするもの」という当たり前もルンバや全自動衣服折りたたみロボット『ランドロイド』の登場で薄れています。

ライフスタイルの変化や新しい商品の登場は、大人が当たり前だと思っていることに疑問を投げかけることから始まります。そして「当たり前」に疑問を持つことは大人よりも子供の方が上手です。

子供の疑問力は「どうして?」「なぜ?」という子供の疑問を一緒に考えてあげることで伸ばすことができます。

「どうしてかな?」と質問してみたり、「一緒に調べてみよう」と誘うことで子供たちは楽しみながら、見つけた疑問を課題に変え、誰かと一緒に解決する力を伸ばして行きます。

ITスキルやプログラミングは、あくまでもやりたいことを実現するための手段となるスキル。それは私たちのような塾に任せてもいいと思います。

しかし、子供の疑問力を伸ばす教育は、子供と接する時間の長い親や家族が普段の生活の中でした方がいい思います。

文科省が進める1と2の誰かと一緒に問題を見つけ、解決する力を伸ばす力は、今の子供達が大人になった時、幸せになるために必須の力だからです。

疑問力は普段の生活の中で、子供の素朴な疑問に反応し、一緒に考えたり、調べる中で伸ばせる子供の才能。

なぜなぜ星人になった子供の質問に手を焼くこともありますが、その努力は必ず子供の好奇心を伸ばし、自発性を育ててくれます。

私たちがレッスンで子供達と過ごす時間は限られていますが、私たちも彼らの素朴な疑問をしっかりとキャッチして、子供たちの才能を伸ばすお手伝いをしたいと思います。

 

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